導入事例インタビュー

習志野市総合教育センター

習志野市の教育の未来

当社ネットワークで進化する
GIGAスクール構想

白神和幸氏

白神 和幸 氏:習志野市総合教育センター 指導主事

習志野市は、GIGAスクール構想が始まるずっと前の平成27年から当社のネットワーク専用回線サービスを導入いただき、教育現場にもインターネットを積極的に導入してきました。長年にわたりICT教育を推進し、教育の質向上に努めています。
本インタビューでは、習志野市が当社のネットワークサービスを導入した背景やその効果、そしてICT教育の将来への展望についてお伺いしました。
GIGAスクール構想が進む中で、市全体でどのようにインフラ整備を行い、教育現場に変革をもたらしているのかを探ってみました。

JCOMのネットワーク導入の背景

―最初に当社のネットワーク回線を導入しようとした経緯について教えてください。

私が当時の担当者ではないので聞いた話にはなりますが、以前は各学校がベストエフォート型の回線を利用していたが、周囲の使用状況に左右されてしまい通信できないケースが発生していたと聞きました。そこで、当時の担当者は、回線の帯域を確保するとともに、市役所や学校のネットワークを統合して管理する方が効率的であると考え、統合的な管理を可能とするために、インフラの整備を一体的に進めたと聞いています。

―当社のネットワーク回線を市全体で導入する際、どのようなポイントが重要でしたか?

導入当時の詳細についてはわかりませんが、現在の環境については、専用回線で統合的に管理されていることから、一貫した利便性が確保されていると聞きました。また、専用回線の帯域は確保されており、安定した接続が可能になる利点があると考えております。

―当社のネットワークを導入していただいたのは20年以上前です。当時はコロナ禍前でオンライン授業も始まっておらず、当然ながらGIGAスクール構想もない時期で、他県に比べてだいぶ導入が早かったと思います。

私の想像ではありますが、習志野市では早くから小中学校のPC教室の整備を行っており、将来的には一人一台のビジョンを見据えていたのだと思います。

教育現場でのネットワーク利用の実態と課題

―先生や子供たちのネットワーク利用状況と最近の授業形態における課題について教えてください。

JCOMの専用回線によって、安定したネットワーク接続が確保され、教育の質を保つことができています。
しかし時間帯によってトラフィックが増え、通信が不安定になることもあります。特に、動画利用やアプリケーションを活用した双方向授業が増えている最近の授業形態では、トラフィックの最大量が課題となっています。
そのため、トラフィック制御の見直しが必要だと考えます。例えば1,000人近い大きな規模の学校ではトラフィックの最大量を増やし、小さな規模の学校では現状を維持できるようなチューニングを行いたいと考えています。

また、OSのアップデートが授業中に起動してしまい、一部の生徒が一時的にデバイスを使用できなくなるケースもありました。

白神和幸氏
―全生徒さん分をアップデートするのは大変ですよね。

そうですね。すべてを学校の先生方だけで行うことは難しいので、子供たち自身で日常的にOSのアップデートを行う習慣を身につけてもらうように指導しています。

―ICTを活用した教育に対する子供たちや先生の反応はどうですか?

学校ごとや先生ごとに差はありますが、デジタルネイティブである子供たちはスマートフォンの操作に慣れているため、ICT機器をすぐに使いこなせるようになっています。

アンケート結果によると、ICT機器を使った授業を「楽しい」と感じている生徒が多いです。また、生徒の中にはスペックの高いタブレット端末が欲しいという声もあります。
このような反応から、習志野市の学校に通う全ての子供たちが、次世代を担う人材として、ICTを効果的に使えるようになることを願っています。

一方で、ICTが得意ではない先生のICT活用指導力の向上が課題となっています。

ファーストGIGAで課題となったスペックの問題を改善し、学習者用端末の利便性を高めることで、教科指導等におけるICT活用に対する苦手意識を無くしていきたいと考えています。

学習eポータルで図書館の本にいつでもアクセス可能に

―特に力を入れて進めているICT活用の具体的な事例はありますか?

習志野市では、ナラシド♪ライブラリー(電子図書館)のリンクを学習eポータルに結び付けています。これにより、学習eポータル内においてワンストップで図書館情報にアクセスできるようになりました。

朝の読書タイムに活用する学校もあり、本が好きな子供たちにとっても役立っています。

習志野市は児童・生徒が1人1台ICT機器を利用する将来を見据え、早くから市内すべての公立学校へのネットワーク導入などのインフラ整備を進めてきました。
また、インフラを導入するだけでなく、電子書籍による読書週間定着に取り組むなど、コンテンツの整備や、教員へのトレーニングなどを通じて整備したインフラを積極的に活用しようという明確なビジョンに沿って施策を推進されているのが印象的でした。

記載の内容は取材時(2025年4月)の情報です。